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海外教育実地研究 現地報告【その3】

2025年2月20日、実地研究2校目として訪問したのは『Bloorview School』です。

こちらは、病院に併設され、障害を持つ子どもたちがリハビリを行うための公立学校です。この学校では『IET』と『HCC』という2つのプログラムが運営されており、

・ IET: 4歳から小学校1年生までの子どもたちが自宅から通学するプログラム

・ HCC: 4歳から19歳までの子どもたちが併設の病院から通学するプログラム

となっています。

「4歳から小学校1年生までしか在籍できないのでは?」と疑問に思われる方もいらっしゃるかもしれませんが、年齢制限の理由は「障害があるからといって特別な施設に留まることを良しとせず、子ども自身や保護者が必要な支援を理解し伝えるとともに、地域の方々にもそのニーズを理解してもらうため」であるそうです。

そのため、学校の教職員だけでなく、企業関係者や地域の子どもたち、実習生が学校を訪れ、またBloorviewの先生が他の学校で講義を行うこともあります。

見学当日は、校内の体育館で音楽コンサートが開催され、私たちも参加させていただき、皆で大いに盛り上がりました。

今回見学したのは『IET』プログラム内の、体を動かす活動、アート活動、教室内での活動です。

どの活動においても、子ども一人ひとりのニーズに合わせた支援と環境が整えられていると同時に、教員の豊かな表情からは活動を心から楽しんでいる様子が伝わり、その結果、子どもたちの楽しそうな姿に繋がっていると感じました。

また、『IET』プログラムは小学校1年生で卒業し、その後、各地域の公立学校へ進学します。卒業の際には、子どもたちが自分自身について記した絵本を一人一冊作成し、自身の障害や必要な支援について記述するという取り組みが行われています。

今回の実地研究を通して、子どもたちが安心できる環境でこそ学びが始まること、そしてここが誰もが多様性を実感できる場所であるということを改めて実感しました。

まだまだ書き足りないほど濃密な学びの日々であり、実地研究3日目も吸収することが多すぎるほどでした......。

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その1
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