国際交流

2017年度 米国教育研修活動日誌(アメリカ)

米国教育研修 現地報告【その1】

2月10日に日本を出発して、9時間でサンフランシスコ空港に到着しました。

機内では、夕食にチキンorパスタ、朝食にはサンドウィッチ、軽食にはスナック菓子とスーパーカップのアイスが出てきて、充実した旅の幕開けとなりました。

カリフォルニア大学バークレー校ラボゲストハウスにチェックインした後、ハンバーガーを食べに行きました。初めての現地での注文はみんな緊張していましたが、先生方が買っている様子を見て、全員無事昼食を食べることができました。
その後、スーパーで夕食と朝食の買い出しをして、ゲストハウスに戻り、次の日のミーティングをしました。
ゲストハウスは、街から少し坂を上ったところにあるため、とても綺麗な夜景を毎日見ることができます。

2日目は、朝からBARTという電車に乗ってゴールデンゲートブリッジを見に行きました。こんなにも大きくて赤い橋が、戦前に造られたということを知り、歴史を感じました。
そしてお昼には、アメリカで有名なブレットボールスープを食べ、GHIRARDELLIでチョコレートのお土産をお得に買いました。
そこからは、ケーブルカーで移動し、ユニオンスクエアでチーズケーキファクトリーというお店に行きました。

研修がはじまって2日ですが、サンフランシスコの街を堪能し、明日からの小学校での生活が楽しみになりました。

Konomi, Risako

米国教育研修 現地報告【その2】

3日目は、Rosa Parks Elementary School初日でした。

校長先生のPaco先生をはじめ、担当の先生方や子どもたちに暖かく迎えていただきました。
子どもたちが日本語で挨拶をしてくれたり、予想以上に日本に興味をもってくれていたりしたので驚きました。

クラスに入るとまず、私たちにもわかるような英語を使って自己紹介をしてくれました。
この日は学校のイベントである100日記念日で、算数では、お菓子を使って100を数える活動があるなど、五感を使った学習の仕方がとても印象的でした。
また、英単語の学習では、英語が母国語でない子どもにも配慮されていました。
例えば、リズムに合わせてアルファベットを読んで単語のスペルを覚えるようにしたり、似たような発音の英単語と間違えないような説明も丁寧にされていました。

午後からはUCバークレーの授業に参加させてもらいました。
同じ教育者を目指している大学院生が、教育を行う中で第一言語が英語ではない子どもたちを、どのようにサポートしていくのかを学んでいました。
この日の講義は、「言語的多様性の違いについて」という内容でした。
アメリカには様々な人種が暮らし、多様性に富んでいるからこそ、互いの違いに気づきやすく、またそれが差別に変わっていくことがあることがわかりました。そして、このようなアメリカの社会の課題について、アメリカの学生がどのような意見を持っているのかを知ることができました。
また、この講義の中で、通訳がいないと話についていけない経験を通して、日本語が第一言語ではない子どもがクラスにいたとしたら、こんな気持ちなのだと感じました。
教員になってからも、今回感じたことを忘れることなく、子どもたちが安心して過ごせる居場所をつくれるように努力していきたいです。

4日目はRosa Parks Elementary Schoolで、私たちは1年生のクラスで紙コップを使ったけん玉づくりのワークショップをしました。
予想外の出来事もありましたが、先生方の協力もあり無事やり遂げることができました。
子どもたちは、私たちの決して上手くはない英語を理解し、熱心に活動に取り組んでくれました。子どもたちの作るけん玉は、どれも個性に溢れ、想像力の豊かさを感じました。子どもたちが、自分で作ったけん玉で楽しそうに遊ぶ姿を見て、子どもたちのことをいろいろと想像しながらしっかりと準備をしてきてよかったと、嬉しくなりました。

夜は、Rosa Parks Elementary Schoolの先生方と一緒に食事をしました。
学校ではあまりゆっくり質問をすることができないので、学校で疑問に思ったことや先生方の普段の生活のことなどについてお話を聞くことができて、深い学びにあふれる貴重な時間となりました。
最後に、先生方に日本からの印傳(いんでん)のパスケースのお土産をお渡しすると、興味津々でいろいろな質問をされ、とても喜んでいただけました。

Hitomi, Kaho, and Saki

米国教育研修 現地報告【その3】

5日目はバレンタインデーでした。
この日は、バレンタインに関する絵本の読み聞かせをしていたのですが、小学生でも絵本の読み聞かせがあることに驚きました。
バレンタインのプレゼントを学校に持ってくるなら、全員分を用意すること、もしくは持ってこないこと、とルールがあることも日本とは少し違うと感じました。
クラスの子どもたちがバレンタインのプレゼントを持ってきてくれて、カタカナで「ハッピーバレンタイン!」と日本語で書いてくれていたのを見て、とても嬉しかったです。
日本ではチョコレートのイメージが強いですが、街ではバラの花束や風船を持っている人たちが多くいるのを見て、素敵だと思いました。

5年生のクラスでは算数のテストがありました。
日本と違って、いつもグループで座っているのですが、テスト中もそのままグループの形で受けていました。よく見るとカンニングをしている子どもや話をしている子どもがいて、カンニングなどしやすい環境の中での先生の言葉がけや監視は素晴らしかったです。

6日目は、ロザ・パークス小学校での最後の研修でした。

朝の集会では、体育館で全校生徒に向けて全体パフォーマンスをさせてもらいました。
バブリーダンス、ソーラン節、エビカニクスを踊り、私たちを快く受け入れてくださった先生方、生徒たちにありがとう、さようならの気持ちを伝えることができたと思います。特に、エビカニクスは先生や生徒たちも一緒に踊ってくれて、とても嬉しかったです。

集会後は、校長先生に講話をしていただきました。
初めに、アメリカの歴史について学び、人種、女性差別について考えました。それから、多様な生徒を受け入れるロザ・パークス小学校について、最後に、アメリカの教育制度についてお話していただきました。

最後に、クラスの生徒たち、担任のLum先生にそれぞれの名前の漢字を考えてプレゼントしました。受け取るときに、「ありがとう」と日本語で言ってくれたり、「家に帰っても習字をしたよ」と伝えてくれたりして、生徒たちが楽しんでくれていたことが実感でき、とても嬉しく思いました。

Rina, Haruko

米国教育研修 現地報告【その4】

週末は、飛行機に乗ってロサンゼルスに移動しました。

17日は、ディズニーリゾートとカリフォルニア・アドベンチャーに行きました。
朝食を早めに済ませ、夢の世界へ胸を膨らませながら開園すぐに向かいました。
すると、入場と同時にミッキーと遭遇!
その後も日本とは違って、たくさんのディズニーキャラクターと出会うことができました。他にも、フォトジェニックな場所で撮影をしたり、たくさんのアトラクションに乗ったり、ディズニーならではのご飯を食べたりしました。
中でも、UDLならではのカーズ・エリアやフローズンのショーは、まるで映画の世界に入り込んだようでした。
最後には、"World of Color"という噴水や霧のスクリーンに映し出されたショーを見ました。
ディズニーミュージックと共にカラフルな世界が広がり、とても壮大で圧倒されました。
閉園時間ぎりぎりまで全員で楽しみ、さらに絆が深まった週末となりました。

2週目の月曜日は祝日(プレジデント・デー)で、文化体験へ出かけました。
みんなでサンフランシスコ近代美術館へ行き、アート作品を鑑賞したり、写真を撮ったりしました。作品は、様々なデザインや色彩で表現されており、それぞれ違う7つのフロアをじっくり楽しみ、感性が刺激されました。

アメリカに来てから1週間になり、自分達の力で、買い物や公共交通機関を利用することができるようになりました。

明日から、新しい学校での実習が始まります!多くの学びを得られるよう、子ども達とたくさん関わり、2回目の授業に備えていきたいと思います。

Konomi, Risako

米国教育研修 現地報告【その5】

研修最後の3日間はパロアルトにあるオロニ小学校に行きました。

幼稚園・1年生、2・3年生、4・5年生の2学年でクラスが編成されており、2学年で編成することで不安の解消や助け合いの精神などの情操教育を育むことをねらいとしています。常時、屋外には専門の体育の先生がおり、運動を通して友情や協調性を育むことに力を入れています。

特色のあるオロニ小学校は、入学するのに抽選を行います。そして、教科横断的な授業を多く取り入れるために、各教科の先生が共同で授業を行ったり、北京語での授業で中国語の勉強にも力を入れていました。発達段階に応じて、北京語と英語の割合を変えて取り組んでいました。

1日目は学校見学から始まり、各担当の教室に分かれての活動でした。
私たちの担当は、幼稚園・1年生の担当で世界中のペンギンについて調べていました。
ローザ・パークスの子どもたちと比べると2学年クラスであることもあり、落ち着いていて、与えられた課題に対して次々と取り組んでいる印象でした。
文字を習得中で、スペルミスや読み方が分からない単語が多いように感じました。しかし、文字に対しての興味はすごく示しており、日本語にも興味をもって、いろいろな物の名前を聞いてくる子どもの姿が見られました。
実物投影機の使用など、ICTの活用も積極的に取り入れられていました。

2日目、私たちのペアはワークショップの発表でした。
ワークショップでは魚釣りや日本の文化についてのクイズ、マグロ、サケ、タイ、タコのクイズをしました。
ローザ・パークスの子どもたちと同様、日本にすごく興味を示しており、日本について知っている子もたくさんいました。その一方で、違いもたくさんありました。オロニの子どもたちは1匹の魚にこだわりをもって集中して取り組んでいました。手先も器用な子どもが多く、2つ以上の物を組み合わせて装飾していた子が多かったです。
ワークショップを通して子どもたちとの仲も深まりました。

午後からはスタンフォード大学に行きました。
世界でもトップを争う大学に行ってみて、みんな圧倒の連続でした。
特にチャペルのステンドグラスがとてもきれいで感動でした。それぞれスタンフォードのグッズも買いました。

最終日の3日目は、昨年とは違ってローザ・パークスに引き続き、オロニでもダンスパフォーマンスを披露しました。
2回目であることもあり、前回よりもさらにレベルの高いパフォーマンスができました。

担当のクラスでは前日のワークショップで作ったお気に入りの魚で水族館の掲示物を作ってプレゼントしました。子どもたちの名前をひら仮名でも書いてプレゼントしたので、子どもたちと先生はとても喜んでくれました。
また、クラスには日本の絵本「どうぞのいす」、一人ひとりには折り紙で作ったメダルもプレゼントしました。
たくさんの出会いが会って嬉しかった半面、お別れはとても悲しかったです。

ディナーでは打ち上げも兼ねて「グレートチャイナ」という中華料理のお店で、研修のメンバーはもちろん、通訳の瑛真さんやエリザベスさんも揃ってのお食事をしました。
2週間の出来事を振り返りながら会話がとても弾みました。
最後の一言ずつの感想では涙を流す場面も見られました。

今回の研修を通して春からのそれぞれの場所で、それぞれの目標に向かって頑張っていく大きなステップになったように思います。

バックナンバー