ソーシャルメディアガイドライン
ソーシャルメディアとは、コメントの書き込みや記事の投稿が可能なあらゆる情報手段のことをいいます。例えば、LINE、Facebook、X(旧:Twitter)、Instagram、ブログ、動画投稿サイトの YouTube、ニコニコ動画などが含まれます。
ソーシャルメディアは、とても魅力的なコミュニケーションの手段で、すでに日常生活の一部となっていますが、ソーシャルメディア上の不用意な言動が、友達や家族やあなた自身に思いもよらない深刻な問題を引き起こすことがあります。昨今では、SNSの誹謗中傷による裁判で名誉棄損や侮辱罪で訴えられるケースがあり、判決によっては慰謝料を請求される場合があります。このガイドラインは、あなたが早目に問題に気づき、あなたの大切な人やあなた自身がトラブルに巻き込まれないようにするために作成されました。
投稿するときに気をつけたいこと
(1) 投稿をする前によく考えてから投稿する
あなたの投稿は
- ネットに永遠に残る可能性があります
- 意図しない人に見られる可能性があります
「プライベート」なソーシャルメディアはないと考えましょう。投稿をした日からずっと後になっても、検索サイトを使えば、あなたの発言や投稿した写真を探すことができます。たとえ削除をしても、アーカイブ(履歴システム)に残ります。また、あなたの投稿は、あなたに断りなく転送をされたり、コピーをされて思わぬところに再掲載されたりする可能性があります。それによって、あなたの意図しない人(将来の雇用主や将来の同僚、将来の家族、実習先の人など)にあなたの投稿が読まれてしまいます。なにかに怒りを感じたり、落ち込んだりしたときは、冷静に考えられるようになるまで投稿を控えましょう。一時の感情に任せて発言をするのは危険です。
(2) 話題をよく考えて投稿する
あなたの投稿は
- いろんな価値観をもった人が目にします
- 法律や社会規範に反する言動や、それを肯定したり擁護したりすることは批判を招きます
悪気のない投稿内容が他人を不快にする場合があります。あなたの投稿内容は、あなたの友だちや家族だけでなく、様々な地域や立場の人が目にすると思ってください。それぞれが異なる価値観を持っている人たちです。あなたの周りの人には問題がなくても、別の人には攻撃的であったり配慮に欠けた言動と捉えられたりすることがあります。暴力行為や不正行為や未成年の飲酒や公共の場で他者に迷惑をかける行為など、法律や社会規範・公序良俗に反する言動はたとえ冗談であってもいけませんが、自分がしていなくても、不適切な言動を肯定したり擁護したりするような投稿をするだけでも、あなたやあなたの周りの人たちが非常に厳しい批判を受ける可能性があります。
(3) 事実関係や表現をよく考えて投稿する
あなたの投稿は
- 誰かの悪口になっていませんか?
事実と反して誰かのことを悪く表現していませんか?ほんとうにそんな事実があるのか、単なるうわさなのかをよく考えましょう。また、事実であっても悪い印象を与えるような表現をしていませんか?たとえ誰かのよくない言動が事実であったとしても、他人をおとしめるような発言は大きな批判をまねきかねません。ソーシャルメディアはあなたのぐちや不満をはきだすところではありません。
(4) 将来のことを考えて投稿する
自分の投稿が
- 一生を左右する場合があります
最近は、就職活動や転職活動で、雇用主がソーシャルメディアをチェックしています。就職活動の間の投稿だけでなく、過去にさかのぼって投稿をチェックします。大学や学校では教育的配慮として厳罰がとられなかったような投稿でも、社会人としては許されないことがあります。学生としての意識だけでなく、社会人としての意識をもって投稿しましょう。就職や転職だけでなく、あなたにはこの先、人生を決める大切な時期が何度もやってきます。あなたが将来関わることになる大切な人たちが、今のあなたの投稿を目にする可能性についても考えてみましょう。
(5) 匿名ではないことを理解して投稿する
本名をかくしたり、ニックネームで投稿しても
- 過去の投稿やプロフィールの断片から実名は容易に特定されます
- あなたのプロフィールが勝手に暴露されることがあります
本名をかくして投稿しても、プロフィールや過去の投稿の中で実名に結びつくわずかな情報を組み合わせられることで特定されることがあります(たとえば、神戸市北区にある大学は本学だけです)。早い場合は一時間程度で特定されます。これまでに投稿した景色や建物の写真のわずかな手掛かりや、GPSの位置情報から、あなたに関係する場所が特定されることもあります。匿名での利用であっても、実名がわかってしまう可能性があることを想定して利用し、実名がわかったら困るような利用には注意しましょう。
(6) 我慢をすることも大切
ソーシャルメディアでの口論は たとえ不条理な難癖や悪口を浴びせられても、自分が100%正しいと確信しても、言いかえさずに我慢することも時には必要です。反論するときは、感情的にならず、明確な根拠を提示して相手を尊重しながら議論しましょう。
情報の取り扱いで気をつけたいこと
(1) プライバシーを尊重する
本人の許可なく他人の個人名や写真を用いた投稿をしてはいけません。よく知っている友だちであっても、家族であっても、街中の知らない人であっても同じです。投稿したい場合はひとこと許可をとりましょう。
(2) 他人になりすまさない
他人になりすましても、すぐに本人が特定されます。
(3) 安易に情報を転送・共有しない
リツイート、シェアなどで情報を簡単に転送・共有できるのはソーシャルメディアの魅力です。一方で、虚偽の投稿を安易に転送・共有することで、思いもよらない被害が発生します。たとえ善意であったとしても、確実な情報でなければ不用意に共有・転送をするのは控えましょう。(例えば、あなたが人助けのつもりで転送した虚偽の情報を信じた多くの人によって病院や救急に電話が殺到して電話が使えなくなれば、人の命にかかわります)。
(4) 自分に非のない事故を想定しよう
投稿の公開範囲を制限していても、ソーシャルメディアの運営者による事故で、突然不特定の人に閲覧できる状態になるかもしれません。そのようなことになっても困らないように、普段の投稿の内容や表現をよく考えておきましょう。
神戸親和大学の学生として気をつけてほしいこと
(1) 機密性の保持
あなたが神戸親和大学の活動(実習やボランティアや課外活動)の一環で知り得た情報の取り扱いについて、守秘義務のある情報の取り扱いに注意しましょう。親和に関する情報だけでなく、外部の団体のメンバーの個人情報や業務に関連する情報や写真の取り扱いは特に注意しましょう。実習先やボランティア先に関する情報の投稿については、実習・ボランティア先や学内での事前指導などの指導に必ず従いましょう。
(2) 品位を保つ
ソーシャルメディアでは「自分は自分」は通用しません。あなたの投稿は、神戸親和大学の学生の投稿として世界中の人に見られています。その中には、在学生の家族、地域の方、高校生やその保護者、高校の先生、ボランティアや実習でお世話になる方、企業の方、卒業生、卒業生の保護者や家族の方など、親和が大切にし、親和のみなさんを大切に思ってくださっている方々がたくさんいます。これらの方々に親和を誇らしく思っていただけるように、投稿の内容や言葉遣いに品位をもってソーシャルメディアを利用してください。
参考資料
- Guidelines for the Use of Social Media, University of Michigan 2011
- Princeton University Social Media Policies, Princeton University, 2011
- 聖心女子大学 (2012) 聖心女子大学におけるソーシャルメディア扱いのガイドライン
- 佐藤慶浩 (2012) 従業者の業務外でのソーシャルメディア利用ガイダンスの作り方 学術情報基盤オープンフォーラム in 京都 「大学におけるソーシャルメディアの利活用と情報セキュリティ教育・リスク管理」http://yosihiro.com/ (2013.2.25アクセス)
- 「学生向けソーシャルメディア利用」産業能率大学