国際交流

2023年度 海外心理学研修活動日誌(カナダ)

海外心理学研修 現地報告【その1】

いよいよ始まったトロントの海外心理学研修について報告します。

伊丹空港から出発し、羽田で飛行機を乗り換えてトロントに行きました。
羽田空港までは順調でしたがその後、トロント行きの飛行機が約30分遅れてしまったため、予定より遅く到着しました。

トロントに着いてからは、通訳さんに教えて頂きながら電車に乗り買い物をしました。
最後に中国料理のお店に連れて行って頂き、美味しいご馳走を食べることができました。
長旅で疲れましたが、とても楽しい1日でした。

明日から本格的に始まりますが楽しんでいきたいと思います。

海外心理学研修 現地報告【その2】

今日はトロントに着いてから初めての1日フリーだったので、AGOやモニュメントなどに行ってきました。
AGOでは美術館の広さや展示物の充実さに驚き、時間を忘れるほど楽しむことが出来ました。
モニュメントの前は人が多く、スケートを楽しむ人達でとても賑わっていました。

明日から学校訪問が始まるので、しっかり見て聞いて学んでいきたいと思います。

海外心理学研修 現地報告【その3】

トロント3日目は、最初の訪問先Wilkinson Public schoolに行きました。

日本の文化や社会性との違いを痛感し、カナダの教育がとても充実していることを感じました。
多文化社会ならではの問題や障害の有無に関しては、子どもたちで違いを理解し話し合うことで、「その子がその子なりに成長する」ことを目指していました。そのための先生方のコミュニケーションや地域との繋がりも深く、子どもをより広く見守る環境作りがあることが分かりました。
そして、6年生のクラスで折り紙、トントン相撲、福笑いをして遊びました。

子どもたちが楽しんでくれて、とても嬉しかったです!!

海外心理学研修 現地報告【その4】

トロント滞在4日目、本日は公立の特別支援学校、BEVERLEY SCHOOLを見学させていただきました。

校内にはたくさんの絵やアート作品があり、車椅子の子どもたちも楽しめるよう天井にも描かれていました。
歩行を補助する機械などがたくさん置いてあり、子どもたちが生き生きと体を動かして学んでいる様子が印象的でした。
授業では、生徒1人に対して先生が2人、3人とつくことも珍しくなく、その支援の手厚さには驚かされました。
近年、日本ではインクルーシブ教育が提唱されていますが、カナダでも同様にその動きがあるそうです。
ただ、BEVERLEY SCHOOLでは「一人ひとりにあった教育を行うのも大切」という考えのもと、先生方とともに親御さんや子どもたちの特徴にあった支援を考えているそうです。

正門
校内アート作品
天井アート

海外心理学研修 現地報告【その5】

海外心理学研修5日目は、身体障害児の特別支援学校であるBloorview Schoolを訪問しました。

Bloorview Schoolでは、周りに対する要求や意思を明確にする、セルフアドボカシーを大切にしているそうです。必要としていない支援についても明確にするため、本人と周囲の双方で嫌な思いをすることがないのが良いなと感じました。
また、脳波でコンピューターを操作できるBCIという技術を学びました。
動作を想像するだけであらゆる操作が可能となるため、身体に障がいがあっても可能性が広がると感じました。

海外心理学研修 現地報告【その6】

トロント研修6日目は昨日に続きBloorview Schoolに行きました。

はじめに本やビデオで本当の自分を紹介するというプログラムについて教えていただきました。
今日は、Bloorview Schoolで行われている2つのプログラムについて詳しく話を聞きました。
セルフ・アドボカシーという自分の強みやニーズ、経験を自分で説明できるように練習することと、学生が自ら誰でもできるプロジェクトを作るというリーダーシップを持つようにするということが大切だそうです。
今まで自分について知ってもらい、何が自分には必要かを説明するという発想がなかったため驚いたと同時に斬新でした。

最後にスパイラルガーデン・アートプログラムについて説明を受けました。
自然に囲まれてアートを楽しみ自分に向くアートを自分のやり方で作ることができるというプログラムでした。
とても快適な空間でそれぞれのニーズに対応して工夫されて作られていることが分かり勉強になりました。

海外心理学研修 現地報告【その7】

研修7日目はナイアガラフォールズに行きました。
気温は0℃を下回っていて極寒でしたが、天候に恵まれ綺麗な滝を見ることが出来ました。トンネルの中からも滝を見ることが出来、貴重な体験だったと思います。

研修8日目は1日自由行動だったので、ロイヤルオンタリオ博物館に行きました。
ここには恐竜の化石や動物の剥製、宝石などの展示物があり一日いても飽きないほど興味深いものが多かったです。
他にも昔のヨーロッパの生活を再現した部屋があったり、展示物を知ることが出来るゲームがあったりして子供から大人まで楽しめる博物館だったと思います。

海外心理学研修 現地報告【その8】

研修9日目から4日間は、最後の訪問先JICS(Dr. Eric Jackman Institute of Child Study Laboratory School)に行きました。

前半の2日目では、教育には子どもの発達理論を理解し、安心安全な環境で、探求を行う必要があることを学びました。
知識を入れ込むのではなく、子ども自身から深く関わって、子どもと一緒に先生や大人が学ぶことを目指していました。
また、ADHDの傾向の一つである実行機能の弱さについての理解や、特別支援教育の対応について学び、授業を見学しながら子どもに対する先生の接し方や関係性について学びました。
学校に小さな森があり、先住民の理解やメンタルヘルス、ウェルビーイングなどにも役立てているそうです。

海外心理学研修 現地報告【その9】

研修11〜12日目、JICSの後半2日間では幼稚園のクラスと小学校1、2年生のクラスを見学させていただきました。

1、2年生のクラスではトントン相撲や福笑い、折り紙を子どもたちと遊びました。
特に福笑いは子どもたちに大人気で、とても盛り上がっていました。
研修の最後には、ソーシャルワーカーさんの役割について教頭先生から説明してもらいました。
お話を聞いていて驚いたのが、ソーシャルワーカーさんは全校生徒と関わりがあり、子どもたちにとって親しい存在であるということです。
日本でもカウンセラーの方が学校にいらっしゃいますが、あまり関わりがあった覚えがなく、専門的な相談ができる方が身近であることは、とても心強いのではないかと思いました。

海外心理学研修 現地報告【その10】

研修最終日になりました。トロントを出発し、羽田を経由して神戸に帰ってきました。

今回の研修では4つの学校に訪問させていただきました。
どの学校でも子ども一人ひとりに寄り添い、それぞれの子どもが学びやすい形で学ぶことができていると感じました。また、人はみんな違うということを子どもも理解しており、誰もが過ごしやすい学校であるなと感じました。

今回学んだことを今後に活かすとともに、広げていけるよう頑張ります。

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