国際交流

2018年度 海外芸術・教育研修活動日誌(イタリア)

海外芸術・教育研修 現地報告【その1】

研修1日目は、ローマ日本人学校を訪問。
先ず、パフォーマンス交流として私たちが南中ソーランと合唱を披露し、子どもたちは校歌や学習発表会で歌う合唱曲を披露してくれました。
その後、合同で南中ソーランを踊り、村祭りを歌いました。
少人数にも関わらず、子どもたちの迫力ある南中ソーランや、元気いっぱいの歌声に私たちは圧倒されました。

さらに、4つのグループに分かれ日本で考えたレクリエーション活動も一緒に楽しみましました。私たちの班は、中学生の生徒と人間知恵の輪などのゲームをし交流を深めました。

昼食はペアの児童生徒と一緒に摂り、イタリアと日本での生活の違いを知ることが出来ました。

午後は、校長先生から特色ある国際理解教育や数多く取り入れておられる体験学習、また少人数学級ならではの教育方法についての講話を拝聴。
最後に、授業まで参観させていただき、海外の日本人学校の教育についての学びを深める貴重な1日となりました。

2日目は、ヴァチカン博物館にて研修。
教科書でしか見たことがなかったラファエロやミケランジェロの作品を間近で鑑賞し、そのスケールの大きさや美しい色彩のフレスコ画に圧倒され大いに感動しました。
また、真実の口やコロッセオ、フォロロマーノ、トレビの泉などの有名な史跡名所を巡り、ローマ2000年の歴史を肌で感じることができました。

明日は、トスカーナの塔の街サンジミニャーノへ向かいます!

みんなで南中ソーラン!
お昼のお弁当も一緒に食べました!
とても広いサン・ピエトロ大聖堂!
コロッセオの前でパシャリ!いいお天気です!

海外芸術・教育研修 現地報告【その2】

ローマ研修の後はバスで4時間かけサンジミニャーノへ。

お昼ご飯にラザーニャとシエナ風パスタ、豚肉のグリルをいただきました。
本場のラザーニャの味の美味しさに感動しました!

午後からはサンジミニャーノで全体研修です。ここは、塔の街と呼ばれており、街の中には14本の塔が建っていました。
自主研修では、世界一おいしいと言われているGelateria Dondoliのジェラートを堪能したり、かわいい雑貨屋さんやワイン、チーズのお店に入ったり、歴史を感じる街並みでの写真撮影などを楽しみました!

その後、アグリツーリズモに向かいました。豊かな自然の中にある可愛いコテージでは、新鮮な野菜で作られた夕食を頂き、夜は、満点の星空を見ました!

翌日、午前中は農業体験です。
自分たちで収穫した野菜やぶどうを使い、ケーキとパスタを作りました。
パスタは、細く伸ばしていく作業に苦戦しましたが、お店では味わえない美味しい手作りパスタを作ることができました。
自ら収穫した食材で頂く昼食は、貴重な経験となりました。

午後からはシエナで研修です。ドゥオーモやカンポ広場を見学しました。
街の中心にあるドゥオーモには、美しいモザイク画やフレスコ画が描かれており、その美しさに驚かされました。
カンポ広場は「世界一美しい広場」と言われており、多くの人々がその広場でのんびりとくつろいでいました。

夜は宿泊先のお客さんの前でソーラン節と合唱を披露しました。
ドイツ人、オーストリア人、アメリカ人、イタリア人など、宿泊されている多くの方々が集まって下さり、私たちの踊りや歌を楽しんで下さいました。帰り際には、言葉を交わし、交流を深めることもできました。

明日はフィレンツェへむかいます。

今からパスタを作ります!
ぶどうと野菜の収穫に行ってきます。
シエナのドゥオーモの前で!
サンジミニャーノの素敵な街並みと

海外芸術・教育研修 現地報告【その3】

イタリア海外芸術・教育研修の5日目は、アグリツーリズモの宿舎サンドナートからフィレンツェまで移動し、ルネッサンス芸術を鑑賞しました。

はじめに、フィレンツェの街全体を眺望できる丘の上からセピア色の大パノラマを満喫しました。
その後、徒歩でフィレンツェの街を散策しました。
街並みはローマやサンドナートと違い緑は少ないですが、多くの芸術作品が街中に残されており、イタリアの歴史を感じることができました。

夕方には、アッカデミア美術館にも行き、世界的に有名なダビデ像を間近で鑑賞しました。
ダビデ像の目はハートであることは有名ですが、実際に見るまでは半信半疑でした。しかし、本当にハートの形をしている目を見た時は、とても感動しました。

6日目は、午前中にウフィツィ美術館に行きました。
芸術作品の中で特に有名なボッティチェッリのヴィーナスの誕生や春、ダ・ヴィンチの受胎告知など、多くのルネッサンス芸術を堪能しました。特に受胎告知は、見る角度によって見え方が違うため、自分たちが動くことで様々な角度から見ることができ、その違いを実際に感じることができました。

午後からは自主研修でした。
私たちはブランド店や雑貨店をたくさん周り、フィレンツェの街を楽しみました。

イタリア研修も6日間終え、折り返しとなりました。

明日はレッジョ・エミリアとヴェネツィアで研修を行います。

フィレンツェの街並み!
アッカデミア美術館にあるダビデ像。
ウフィツィ美術館にて斜めから見る受胎告知。
チョコレートで有名なvenchi のジェラート!

海外芸術・教育研修 現地報告【その4】

今日は朝からローリス・マラグッツィ・センターでレッジョ・エミリア・アプローチについて学びました。
ここはレッジョ・エミリア市の各幼児学校や保育園で行なっている教育を、実際に体験して学ぶことの出来る施設です。

午前中は、レッジョ・エミリア市がこれまで行なってきた活動や現在どのようなことを行なっているのかについて、ペダゴジスタのパオラ先生からお話を伺いました。
また、グループ活動を通して子どもたちの知識、友情、社会的観点を育てることが大切だということを学びました。

午後からは様々なアトリエや展示を見学させて頂きました。
実際に現場で使っている素材や道具を見せて頂き、イメージを膨らませることができました。見学を通して自然素材、人工素材、デジタル機器などの様々なものを使って表現する方法を学び、素材に触れることの楽しさを感じることができました。

その後、バスでヴェネツィアまで移動。
夜は、フェニーチェ歌劇場で「La Traviata(椿姫)」を鑑賞。
会場に入った途端、きらびやかな雰囲気に包まれ、夢の中に居るような時間を過ごすことが出来ました。
椿姫はパリの高級娼婦と青年貴族との恋のお話でしたので、私たちの生活では考えられない身分の格差が感じられ、とても切ない気持ちになりました。
本場のオペラは、歌劇場や歌唱、オーケストラ演奏も素晴らしく、ダイナミックでかつ繊細な心を揺さぶられる演奏に大いに感動しました。

明日もヴェネツィアで研修です。
全員、元気で最後まで頑張りたいと思います。

ローリス・マラグッツィ・センター前で
ペダゴジスタのパオラ先生の講義中
ヴェネツィアの街並み
フェニーチェ歌劇場の前で!

海外芸術・教育研修 現地報告【その5】

本日は一日ヴェネツィアでの研修です。

午前中は、サンマルコ寺院やドゥカーレ宮殿を見学しました。
宮殿の中には牢屋や裁判所があり、ヴェネツィア共和国の時代に書かれた落書きなども残っていました。実際に閉じ込められていた牢獄に入ることもできましたが、窓もなく石壁でできており、冷たく寂しく感じました。
途中で渡った「ため息橋」は、とても素敵な名前のように思いますが、実際は罪人が最後にヴェネツィアの美しい景色を見ながらためいきをこぼす、という悲しい由来で驚きました。

自主研修では、ゴンドラセレナーデが一番印象に残りました。
音楽隊付きのゴンドラに乗船し、ヴェネツィアの街を一周した経験は忘れられません。ゴンドラに揺られながら、親和のみんなとカンツォーネを歌い、街の人々を巻き込みながら、楽しく運河を巡りました♪

また、地元の方や観光客の方など、多くの国の人々と国境を越えてコミュニケーションを楽しむこともできました。
街を歩いていても気さくに話しかけてくださる方、スーパーで困っていたら助けてくださる方など、言葉の壁を忘れる程でした。

夜にはサン・ヴィダル教会でヴィバルディの「四季」を観賞。弦楽アンサンブルの綺麗なハーモニーに包まれ、素晴らしい時間を過ごすことができました。

ヴェネツィアで過ごした時間、素敵な街並み、素晴らしい音楽や芸術、これらの全てをこれからの生活の糧にしていきたいと思います。

明日はミラノに移動です。

夜のドゥカーレ宮殿
宮殿の中にある牢獄
ため息橋からみたヴェネツィアの風景
ゴンドラに乗って

海外芸術・教育研修 現地報告【その6】

今日はモンテッソーリ幼小一貫校を訪問しました。

新学期が始まりまだ1週間しか経っていないにも関わらず、ローザ校長・園長先生はじめ、多くの先生方が温かく出迎えてくださり、とても嬉しく思いました。

まず最初に、ローザ先生からモンテッソーリ教育についての講義を聞き、歴史や子どものとらえ方などを学びました。
その後、実際に子どもの活動している様子を見学しました。
私たち大人が大人数で教室の中に入り見学しているにも関わらず、それを気にする様子もなく集中している子どもの姿に、驚きと深い感動を覚えました。

また、「僕が1人でできるように手伝って」との言葉をモンテッソーリ教育ではとても大切にしていると聞きました。この時、一人ひとりの子どもの興味や関心を大切にした教師のサポートの重要性を強く感じました。

その後、ミラノ市内中心部へ行き、美しいドゥオーモも見ることができました。
とても充実した研修の1日となりました。

明日もミラノで研修は続きます。

モンテッソーリ幼小一貫校を見学中
モンテッソーリ教育の幼稚園
モンテッソーリ教育の小学校
ミラノの中心にあるドゥオーモ

海外芸術・教育研修 現地報告【その7】

本日はミラノカトリック大学を訪問し、交流の時を持ちました。

まず、教員養成学部長のリヴォルテッラ教授からイタリアの教育事情について講義を受けました。
続いてカトリック大学の学生さんからも実習における課題についてお話を聞くことができ、共に意見交換を行いました。共通する課題や国によって異なる課題など、様々な視点から学びを深めることができ、私たちの教育実習における視点もかなり広がりました。

また、日本では履歴書や実習記録などに決まったフォームがありますが、イタリアではそのようなフォームはなく、一人ひとりの学生が全てポートフォリオ形式で書いていくそうです。
どのような内容を書くのかを決め、個性を発揮し、自分を表現するということを聞いた時は、とても驚き、個々の表現が尊重される文化を目の当たりにしました。

その後、私たちは4班に分かれて日本の教育について「日本の虐待」や「スマホ育児について」のプレゼンテーションを行いました。
国境を超えて行うプレゼンテーションは初めてで、とても貴重な経験になりました。

1日の終わりには、サンタ・マリア・デッレ・グラーツィエ教会にて「最後の晩餐」を鑑賞しました。
絵をきれいな状態で保護するために工夫された空間は、薄暗くて神秘的な印象を受けました。また、実際に自分の目で見る「最後の晩餐」は、教科書で見るものとは違い、間近で細部まで鑑賞することができました。

明日は研修最終日です。最後まで頑張りたいと思います。

ミラノカトリック大学の前で
教員養成学部長のリヴォルテッラ教授
プレゼンテーション中

海外芸術・教育研修 現地報告【その8】

研修最終日は、マリア・コンソラトリーチェ幼少一貫校を訪問しました。

門をくぐると、日本の国旗の色の赤と白に合わせた服を着た全校生が、「こんにちーは!こんにちーは!」と出迎えてくれました。
研修の疲れも吹き飛ぶくらいの元気いっぱいの笑顔に圧倒されるとともに感動のあまり涙が溢れました。

お出迎えをしてもらった後、まず幼稚園を見学。
そこで私たちが一番印象に残ったのは、子どもたちの自主性を大切にし、遊びを決めていたことです。
年度始まりで、クラスの環境に慣れない中、子どもたちはその日に自分がやりたいことを、自分の口で先生に伝えていました。その姿にとても驚きました。

幼稚園見学の後は小学校での実習授業です。
私たちは日本の伝統文化である相撲を紹介した後、紙相撲で遊ぶ授業をしました。
イタリア語での授業なので、うまく伝わるか緊張しましたが、子どもたちは私たちの話にしっかり耳を傾けて聞いてくれました。その後、日本から準備してきた紙相撲大会を行いましたが、子どもたちの楽しそうに遊んでいる表情を見て、「頑張って準備して良かった!」と、とても嬉しくなりました。

最後のお別れの時には、イザベッラ園長先生、アンナベッラ校長先生から一人ずつタングラムのピースと手作りマグネットをいただきました。
このタングラムとは、7つのパーツを集めると正方形になるパズルのようなもので、組み合わせによって形が変わるため、無限の可能性を秘めているという意味が込められています。
園長先生と校長先生は、私たちに日本へ帰ってもいろんな可能性にチャレンジして欲しいという思いを込めてタングラムをプレゼントしてくださいました。
この時、遠く離れた日本から来た私たちをたっぷりの愛情で受け入れて下さった先生方のように、私たちも子どもたちに無償の愛を注げる先生になりたいと強く思いました。

そして、最後のフェアウェルパーティーでは、37人全員で素敵なひとときを過ごすことができました。
海鮮のラザーニャやスカンピ海老の塩焼きを食べ、現地でお世話になったツアーガイドの伊藤りみさんと、通訳の平吹わかこさんへ感謝の気持ちを伝えました。
2人方のサポートがあったからこそ、この研修は本当に実りのあるものになりました。
そして、パーティーの最後には先生方から労いの言葉をいただきました。
この研修をサポートして下さった伊藤さん、平吹さん、そして何よりも引率・研修指導をして下さった先生方、2週間本当にありがとうございました。

この研修で、私たちは教育や芸術だけでなく、人の愛情や優しさに触れることができました。
この経験は、このメンバーでのイタリア研修だったからこそできたことだと思います。

この研修に携わってくださった全ての皆様に感謝いたします。本当にありがとうございました。

紙相撲で遊ぶ子どもたち
子どもたちの前で南中ソーランのパフォーマンス
フェアウェルパーティー
ツアーガイドと通訳の方へ感謝の寄せ書き!