文部科学省「大学教育改革プログラム」採択状況
本プロジェクトの意義
平成17年8月下旬のある日、文部科学省高等教育局専門教育課から一通のメールが企画調査室に飛び込んできた。【教員養成GP】選定の知らせである。これは晴天の霹靂とは言い過ぎだが、瞠目すべき快挙ではある。このことについてその中味を公開しなければ、と考え、今までに種々の情報が開陳されてはいるがプロジェクトの意義・内容等について述べることとする。
標記のごとき名称のもと、2年にわたる教育実習パイロット計画は、従来の教育実習(J型)、教育実習プロジェクト(K型)の後者に実施される。名称にあるように『島嶼部‐いわゆる小規模校』地において宿泊しつつの教育実習を旨とする。これこそが教員養成審議会答申の真骨頂【教職に対する愛着・誇り・一体感】の醸成にもっとも適する教育実習の形ではないかと判断した。なぜなら教育実習生が児童・保護者たちとその地の自然・文化・歴史など同じ空気を吸い、生活のレベルをも共有することにより自ずと知識等の教育にも供することとなる。そこに【教職への愛着・誇り・一体感】が育まれるのではないか、プロジェクトは主張した。まさに答申の真髄をここにみ、本学発達教育学部の目指すところ【人間力・社会力の養成】の萌芽もここに置いたのである。
教育実習はどこで?
そう、島嶼部‐いわゆる小規模校での教育実習になります。現在のJ型(母校教育実習)でも小規模校での教育実習に携わっている人もいるでしょう。しかし、このプロジェクトで実施する教育実習K型は、J型とは大きく異なっています。それは、生活にあります。J型は、自宅(学生は実家といっています)に生活の基盤をおぎますが、K型は、見知らない地でホームステイのたぐい、自活教育実習に従事します。
どんな教育実習を?
自活、そうです自炊しての教育実習をするのです。J型は自宅からの通学ですし、生活の基本的なところは、家族が担います。しかし、K型は、そうはゆきません。教育実習地で自炊の買いものなどをしつつの生活を基本とします。実習地の人々、子どもたち、保護者とも頻繁に自然な交流がなされます。そこに学校という知的生産の場とは、かなり違った場が出現します。この場こそが大事な教育の基盤だと思います。
するのですか?
そういう意味では、見知らぬ大地での教育実習です。J型は、会う人々はみんな実習生を知っていますし、また実習生もしかりです。K型は、例えばですがまさに四面楚歌です。そこで人間関係を形成しながらの教育実習です。よほど俗的にいえば腹をすえないといや腹をくくらないと出来ない相談です。だからこそK型は効果があると考えます。生半可な精神では、頓挫してしまいます。
文部科学省の考え(教員養成審議会答申)と本学(発達教育学部)のテーゼとの相乗効果!
平成17度、文部科学省は、「大学・大学院における教員養成推進プログラム」という補助金事業をたちあげました。なぜでしょうか。それは、この少子化社会の中で呻吟している保護者の襖悩に応えるにはあるいはこの国の将来を憂え、教育を担う教員こそが至宝である子どもたちをわが国の国是に導く指導者と認定しているのでしょうか。きっと文部科学省は、教育を担う教員の資質の向上を念願しているに違いありません。そうでなければこのように大きな予算を計上するはずはない、と思います。
だからこそ教員の資質の一端を【教職への愛着・誇り・一体感】なる重要な語彙で表現しているのですJ型では、真の教員養成は?といった一抹の不安が(教員養成に携わる責任者に)存在するのかもしれません。ど のような方法で教員を養成したらいいのか、日夜悩んでいる方々は、本校のプロジェクトに一定の評価をくだしました。このような方法がいいのかもしれない、やってみて下さい、との断案です。本プロジェクトが教員養成に有効な方法を提供できるかどうかは、まさに霧のなかです。
しかし、本学も【人間力・社会力の養成】といったテーゼを掲げています。これら(文部科学省と本学)二つの言葉に魂を入れなければ、大きな責任感にとらわれてます。
「島嶼部等宿泊体験型教育実習プロジェクト」事業実施計画書
事業年度 | 実施時期 | 実施内容 |
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平成17年度 | 平成17年 10月 |
次年度に教育実習を行う学生(3年次生)へ「島嶼部等宿泊体験型教育実習」についての説明会実施 |
11月 | 教育実習校への正式な実習依頼、及び島山與部等における教育実習参加学生の確定 | |
本プロジェクトリーフレット作成 | ||
12月開催「教員養成フォーラム」案内状送付 | ||
12月 | 初旬 K型実習者対象 参観実習(見学・観察実習)実施(現地小学校にて) |
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12月17日「教員養成フォーラム」開催 参観実習(見学・観察実習)報告、実習校及び文科省・関係教育委員会からのコメント等 |
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「教員養成フォーラム」報告集作成 | ||
平成18年 1月 |
K型実習生対象 現地で使用する機器等の講習会開催 (次年度9月実習までに数回実施) |
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2月 | 現地小学校校長による事前指導実施(1)(実習生全員) 仮題小規模校の教育現場について |
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3月 | 現地小学校校長による事前指導実施(2) (K型・上乗せK型) 仮題現地の伝統・文化・歴史・産業と生活について |
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スペースボール講習会(1回) | ||
平成18年度 | 4月 | ・全実習生対象の事前指導(全8回) ・スペースボール講習会(2回) |
5月 | ||
6月 | 教育実習 J型(従来型)、K型(教育実習プロジェクト型) |
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7月 | J型教育実習の反省会、K型と上乗せK型の学生も参加 | |
8月 | 直前指導 | |
9月 | K型・上乗せK型教育実習実施 実習校や保護者・児童へのアンケート(チェックリスト・意見・感想など)を行う |
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10月 | K型・上乗せK型教育実習反省会 | |
11月 | K型・上乗せK型教育実習報告会実施及び報告集発刊 (平成17年度12月17日に準ずる) |
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12月 |
教員養成GP骨子(申請書目次)
- (1)教育プロジェクトの概要
- (2)教育プロジェクトの内容及び実施計画について
- 1.島山興部(いわゆる行政でいうところの僻地・ここでは以下、地域等と表現する)での教育実習の実施
- 2.本学通常の教育実習とのかねあい
- 3.地域等を教育実習に選択した理由
- 4.教育実習地での種々の催しへの参画
- (3)教育プロジェクトの特色について
- 1.地域等における教育実習の意義
- 2.生活者としての存在
- 3.生活者としての教育実習生の教職形成過程の意義
- 4.地域社会や家庭との密着度の向上と親密度の深まり
- 5.本学教育の変貌
- (4)本教育プロジェクトの有効性
- 1.地球的視野に立って行動するための資質能力の育成
- 2.変化の時代を生きる社会人に求められる資質能力の育成
- 3.教員の職務から必然的に求められる資質能力の育成
- 4.J型と単独K型の評価形態
- 5.大学教員と現職教員への波及効果
- (5)教育プログラムの評価体制について
- 1.本学児童教育学科の常なる観察の中に(J型・K型9月実施の比較検討、評価はすべてこの方式に準ずる)
- 2.本学、あるいは兵庫県教育委員会・地方教育委員会における専門家(教育学)の評価
- 3.教育実習地の保護者・被教育者からの評価
- 4.教育実習生の評価
- 5.1.~4.を帰納的に実践する体制を構想する
リーフレット
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