心理・教育相談室

子育て相談Q&A

言葉が遅れているんです... 3歳をすぎても言葉が出ませんでした。小さい頃から一人遊びが好きで、あまりお友達に興味がないようです。好きなテレビや玩具は、何時間でもあきませんが、遊びの途中で友達から誘われたり、声をかけられると、逆に怒ったり、泣いたり、手が付けられなくなります。家でも一度泣き出すとなかなか泣き止まないので、どうしたらいいかわからないし、泣き出すとうんざりしてしまいます。また新しい場所も苦手で、大声で泣き叫びます。慣れるまでに何週間もかかるし、外に連れ出すことも億劫になります。子どもが泣くタイミングや理由がわからず、途方にくれることが度々です。どうしたらよいのでしょうか。
言葉の発達は環境的な要因もあるので焦らず見守ることが大切です。しかし、周りとの違いをはっきりと感じる場合、一度ご相談されることをお勧めします。
言葉の遅れに加え、自分の世界にいることを好んだり、こだわりが強いなどの特徴が強いお子さんは、広汎性発達障害(自閉症やアスペルガー障害、高機能自閉症等)の可能性も考えられます。この傾向をお持ちのお子さんは、独自の世界の見え方、感じ方があり、なかなか理解することが難しいため、身近な親御さんは特に困難さを抱えておられます。障害の有無に関わらず、周りがお子さまの傾向を理解し、やりやすい方法を見つけることで、随分本人も周りも楽になります。当相談室ではお子さまの状態の理解をより深め、親御さんやお子さんの心がよりイキイキするために、お役に立てることを共に考えさせていただきます。
学校に行かないんです... 最近子どもが学校に行かなくなりました。朝になると「お腹がいたい」「頭がいたい」など身体の不調を訴え、学校を休みがちです。1日休めば学校に行けていたのですが、最近は2日、3日と休む日が多くなってきました。本人の様子を見ていると、朝はしんどそうですが、お昼ぐらいになるとウソのように元気になっています。その様子を見ていると、もっと学校に行けるのではないかと思ってしまうほどです。朝に強引にでも起こすべきなのか、それとも休ませるべきなのか、どのように対応すればいいのか迷っています。
学校では友達もいるし、勉強もまじめにこつこつやるため、特に困ったことはないようです。このままずるずると休み続け、学校に行かなくなるのではないか、このような状態がいつまで続くかわからないし、先が見えずとても不安です。
学校を休む背景は色々あります。実際に友人関係で行き詰っていたり、勉強がついていけなかったり、また、「いい子」として家でも学校でも頑張りすぎてエネルギーがきれてしまったなど様々なことが考えられます。共通して考えられるのは、お子さんが学校を休むということを通して、我々に何らかのメッセージを伝えているということです。お子さんが周りに何を伝えたいのかを考えていくことを通して、お子さんの新たな一面や、自分自身の新たな一面を発見するかもしれません。そのお手伝いを当相談室ではやっていきたいと考えています。
落ち着きがないんです... 学校の先生から「授業中落ち着きがなく、おしゃべりが多い」と言われるんです。「ケアレスミスが目立つ」「話を最後まで聞かずに答えてしまい、間違えることが多い」「物をよくなくす」「ルール違反をしたり、勝手な行動をとってしまうため、友達とトラブルになることが多い」などの傾向が見られ、どうしていいか悩んでいます。親として時々「失格なのかなあ」と思ったり、周りからも「もっとしっかりしつけなきゃ」などと言われ、落ち込む事が多いのですがどうしたらいいのでしょうか。このままでは子どもを責めてしまったり、かと思えば自分を責めてしまったりしそうで、困り果てています。
子どもはパワーがあり、落ち着きのないものです。しかしその力をコントロールできないことから、周囲とうまくやっていけないことは、とてもしんどいことです。集団への適応が難しいお子さんの中で、得意なこと、不得意なことに偏りがみられるお子さんがおられます。親御さんたちは自分の関わり方が悪いのではないか、また本人の頑張りや我慢が足りないのではないかと自分や子どもを責めがちです。それは親御さんが一生懸命お子さんに取り組んでおられるからこそ歯がゆく感じられることだと思われます。本人が苦手なことについては、本人が取り組みやすい方法があるはずです。
また、集中が困難で落ち着かないという特徴から、ADHD(注意欠陥多動性障害)やLD(学習障害)、広汎性発達障害の可能性も考えられます。当相談室では、障害の有無に関わらず、お子さんの傾向をとらえ、日常生活がより過ごしやすくなる方法を親御さんと一緒に考えさせてもらいます。
やってもやっても勉強ができません... 家や学校での日常生活は他の子と全く変らず、お友達とも楽しくやっていますが、最近著しく勉強が遅れてきました。本を黙読し、理解することはできますが声を出してすらすら読めない、漢字やひらがなが正しく書けないことがあります。また算数では、単純な計算はできますが、筆算や桁数が増えると極端にできなくなります。他のことは何でもできるのに、なぜでしょうか。
学校の先生からも「もっとしっかり見てあげてください」と言われます。何度教えても間違えるので怒ることが増え、本人も勉強が嫌になるし、私も苦痛になってきました。教え方が悪いのか、本人の努力が足りないからか...どうすべきか悩んでいます。
勉強の中である特定の領域(聞く、話す、計算、書く、読む等)のみに極端な困難さを抱えるお子さんがおられます。LD(学習障害)と呼ばれ、能力に何らかのアンバラスがあると考えられます。他のことが難なくやれるだけに、本人がなまけているからだと言われがちです。また、本人も「わかっているのにできない」ため、できない自分の無力さに直面し、本人自身の自尊心や自己肯定感が低くなってしまいます。
当相談室では、最初にお子さん自身の状態を把握するため、発達検査をお勧めすることがあります。検査はお子さんの得意な所、不得手な所を把握し、より適切な方法を見つけるためのものです。決して何か問題を見つけるためのものではありません。持っている力を存分に発揮していただくため、パズルや間違い探し、質問など身近な遊びを通して楽しみながら行います。その結果を踏まえ、本人の困難なことにどのように対応したらいいか、親御さんと共に今後の方向性を考えさせてもらいます。
また小学校高学年ぐらいになると、自分のできなさを強く認識する時期に入ります。お子さまと共に来室していただき、本人が等身大の自分を認めていけるようにサポートしていく場として利用していただくことも可能です。