大学案内

学長メッセージ

価値を創造し、自分と社会の未来を創れる人に

写真:学長 松田 恵示

神戸親和大学 学長

松田 恵示

 現在、「ウェルビーイング(well-being)」という言葉が、これからの時代に個人や社会がめざす在りようを指し示す言葉として注目されています。それは「幸せ」とか「幸福」に近い言葉ですが、単に個人の精神状況を表わす言葉ではなく、個人と社会全体の両方の「幸福度」を考えるための言葉なのです。たとえば、自分の意見が自由に言えない集団の中にいても、自分はおとなしくしているので周りとのトラブルもなく過ごせてさえいれば、個人と集団としての「幸福度」は高いといえるのでしょうか。
 ウェルビーイングという言葉は、SDGs(持続可能性)、ダイバーシティ(多様性)やインクルージョン(包摂性)など、現代社会のトレンドになっている言葉を集約する言葉でもあるのです。そんな言葉が中心になる社会で生きていく皆さんにとって、大学生活は皆さん自身のウェルビーイングが実現される4年間になることが、まず重要です。そしてさらに、4年間で育んだ皆さんの力が、その後の皆さんと社会のウェルビーイング実現に確実に役立つものになることも必要です。
 神戸親和大学は、小回りがきくからこそ、先生や職員の皆さんと学生の皆さん、そしてなにより学生同士が豊かにコミュニケーションをとり、共に学び合い育ち合う大学をめざしています。共に学び合う過程で、皆さんがウェルビーイングを主体的に育んでいかれることを期待しているのです。
 本学では、教学上、ウェルビーイングを実現する「新しい主体性」と、とくに人間の営み(文化と心理)と人間を育てること(教育)を専門とする「価値創造力」が育まれることを目標としています。そのために、2025年度には「クオーター制」という、グローバル化したカリキュラムの新しい形への移行を予定しています。また、神戸という地域としっかり関わり合う実践的な科目の創設や、高度な情報技術を駆使できる力を育む企業や自治体との連携科目、グローバルな力を実践的に育む科目や海外留学・研修など、ウェルビーイングを実現する大学生活と卒業後の力を育むための最先端のカリキュラム改革を継続して行います。大学は不断に進化していきます。
 神戸親和大学は、親和にしかない、価値と魅力、そして社会的な評価があります。皆さんとお会いできることを、教職員と在学生、そして同窓生一同が心よりお待ちしています。

2024年4月