学長と語ろう

学長と語ろう 母&娘2世代が見たオープンキャンパス ※座談会は感染予防対策を実施したうえで行っています。

新入生の福井若菜さん、母であり1994年に本学を卒業された福井恵さんは、昨年8月、神戸親和女子大学のオープンキャンパスに親子で参加されました。
久しぶりに母校を訪れてみて、そこでどんなことを感じたのか、三井学長との座談会で振り返ります。

オープンキャンパスで印象的だったこと

学長 お二人そろってお越しくださり、ありがとうございます。お会いできるのを楽しみにしておりました。今日は、昨年お二人でオープンキャンパスに参加してくださった際にどのような感想を持たれたか、お話していただければと思っております。まず、どのようなきっかけで参加されたかを教えていただけますか。

恵さん(母)自分の母校を、候補のひとつにしてほしいと思って娘に声をかけました。押し付けではなく、実際に見て判断してもらいたいと思ったのです。

若菜さん(娘)母の学生時代の話をよく聞いていたので神戸親和女子大学に親近感はありました。自分の進路を考える上で、「いろいろな選択肢を見てみよう」と思って参加させていただきました。

学長 特に印象に残っているのはどんなことでしょうか。

恵さん(母)娘は児童教育学科志望だったのですが、私は私たちの時代にはなかった心理学科に興味を持ちました。どんな勉強をするのだろうと。自分が入学するような気持ちになって案内してくださった学生の方に質問をしたのですが、とてもわかりやすく教えてくださいました。

若菜さん(娘)母があれこれ質問するのを聞いていて、正直、「それぐらいにしておいて」と心の中で思っていました。でも母が質問してくれたことで、私も大学について詳しく知ることができ、よかったと思います。驚いたのは、母の質問に対して、説明してくれた学生の方が落ち着いて、丁寧に答えてくださったこと。私は高校時代、中学生の見学者に学校を紹介した経験があるのですが、その学生の方の「予期しないできごとへの対応力がすごい」と思いました。その後、私が母とはぐれて迷っているときも、さっと気づいて声をかけてくださいました。人前でハキハキと話される姿、気づく力、主体性、対応力など、さすがだなと思うことがたくさんあって、本当に素敵だなと思いました。

学長 オープンキャンパスを担当している学生広報スタッフShinwamily*の学生ですね。さまざまな工夫を凝らし、高校生の気持ちを汲みながら活動しています。若菜さんも入学して、今はShinwamily*で活動されていますね。

若菜さん(娘)はい。先輩の姿はオーラに包まれて輝いているようで、「私もあんなふうになりたい」と思いました。Shinwamily*の活動は始まったばかりですが、いつか私の姿を見て、「あんなふうになりたい」と思って入学してくれる後輩がいたら、本当に嬉しいだろうなと想像しています。

学長 オープンキャンパスに参加されてShinwamily*の学生さんと良い出会いがあったのですね。お母様からご覧になって、大学が昔と変わらないなと感じたところ、親和らしいなと思ったところはありましたか?

恵さん(母)私は学生時代、クラブ活動で教職員の方には大変お世話になりました。「教職員と学生の関係が近い」ところは、今も変わらないと感じました。

若菜さん(娘)そうですね。個別の相談をしたとき、「ぜひ神戸親和女子大学に」と言われるだろうと思っていたのですが、むしろ、私のしたいことや気持ちを職員の方にじっくり聞いて相談に乗っていただきました。受験の流れや計画も考えてくださり、「私の将来を真剣に考えてくれている」という実感がありました。

恵さん(母)親子で参加しましたが、あくまでも娘の主体性を尊重してくださっていたと思います。

「やりたいことができる環境」の中で成長

学長 お母様の学生時代はいかがでしたか。バレーボール部が7部リーグから2部リーグへ昇格した時代の、伝説のキャプテンと伺っております。

恵さん(母)大学ではやりたいことをさせていただきました。もともと入学してすぐ教職員の方に声をかけていただいたのですが、当時は7部リーグで、同好会のような雰囲気。高校バレーの厳しさを経験してきた私にとっては物足りなく、ゼミの先生に改めてバレーボール部に誘われたときも、「合宿もない部活はしたくない」と半分冗談で答えました。すると「じゃあ合宿をしたらいいじゃないか」と。「なるほど、ないなら自分ですればいいのか」と気づいて、入部を決めました。最初に出場した試合会場では、7部リーグの隣のコートで2部の試合が行われていました。同期の仲間4人で「隣のリーグで試合をしたい」と話したことから2部昇格が目標に。春・秋のリーグ戦で順調に昇格し、3年秋に念願の2部昇格を果たしました。4年になるとスポーツ推薦が始まり、強豪校からの新入生を迎えるようになりました。大変なこともありましたが、「やりたいことができる環境」を整えるサポートをいただき、「どんな合宿をしよう」「どんな練習をしよう」と自分たちで考えて行動できたことが、一つひとつ忘れられない思い出になっています。

若菜さん(娘)学生時代の話は母からよく聞いています。卒業してからも友人関係が続いているのを見て、私も大学でいい友人を作りたいと思っています。

学長 若菜さんは、学生時代に「これがしたい!」ということはありますか。

若菜さん(娘)私は小学校の先生になるのが夢で、英語も好きなので英語の中学校教員免許状の資格も取得したいと思っています。学生時代に、できれば留学を経験したいと考えています。

学長 カナダ・アメリカの教育機関を訪問する海外教育実地研究、イタリアでの海外芸術・教育研修、カナダでの海外英語研修など、2~4週間の海外研修プログラムや8か月の特別派遣留学など、いくつもの研修や留学があります。コロナ禍が落ち着いて渡航できる状況になりましたら、海外で視野を広げてくださいね。

次の世代を育てる熱意があふれている

学長 お母様は大学卒業後、小学校の先生になられたのですね。

恵さん(母)はい。子どもたちは可愛く、楽しく仕事をさせていただいています。「やりたいことができる環境を整える」という大学のサポートがあって、その中で自分が成長できたので、子どもたちにも環境づくりを大事にしています。

学長 その姿を娘さんもご覧になっているのですね。

若菜さん(娘)そうですね。楽しく働く母の姿に影響を受けていると思います。

恵さん(母)「先生になるなら、親和!」とよく聞きますし、実際そうだと思うのですが、具体的にはどのような経験を通して成長していくのでしょうか。

学長 教員養成については、正課だけでなく、教採セミナー(小・中・高・特別支援)、幼保セミナーが充実しています。本学は学生たちが仲間と共に自主的に勉強する伝統があります。一人ではなく、仲間と一緒に図書館やラーニング・コモンズなどで遅くまで勉強しているのですが、そのような地道な努力が教員採用試験の高い合格率に繋がっているのではと思います。面接の練習や質問への対応も先生方は親身に行っておられます。現場経験の豊富な先生方が多いので、先生方から教育現場の課題や体験談を聞いたり、スクールサポーター(学校園ボランティア)として現場から課題を持ち帰って学内で学んだりと、実践力を高める機会が多くあります。何より「次の世代の先生を育てていこう」という先生方の熱意が素晴らしいので、その熱意が学生達に代々受け継がれている点は見逃せないと思います。若菜さんは、何かお聞きになりたいことはありますか。

若菜さん(娘)どういう先生をめざせばいいのだろうと考えています。「こういう先生になってほしい」という姿はありますか。

学長 自分が「どういう先生になりたいか」が出発点になると思います。子どもたちや社会の状況も刻々と変化していますので、社会の変化に適応し、いろいろな困難を乗り越えながら、自分らしく、その人らしい先生になってほしいと思います。型破りでもいいので、子どもたちの成長を何よりも大切に考えながら、新しい先生像をつくっていただけたらと思います。

若菜さん(娘)わかりました。ありがとうございます。このような貴重な機会をいただいて、不思議なご縁を感じています。神戸親和女子大学の学生として、自覚を持って過ごしていきたいと思います。

恵さん(母)娘が母校に入学し、本当に嬉しく思います。55周年という節目で、改めてこれまでを振り返る機会になり、母校にまた近づけた気がします。これから娘がお世話になりますが、どうぞよろしくお願いいたします。

学長 私自身の大学時代を振り返ると、大学で学んだことが生涯を支える基盤になっており、そのような役割を担える大学でありたいと思います。出会いというのは本当に素晴らしいですね。Shinwamily*の学生との出会いにより、若菜さんは「素敵だな。私もあんなふうになりたい」と思い、入学後Shinwamily*の活動に参加しておられる。人と人との出会いは、その後の人生に影響を及ぼしていくかけがえのない財産ですね。今日のお二人との出会いにも感謝しております。ありがとうございました。

実施日:2021年5月15日(土)