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発達教育学部 ジュニアスポーツ教育学科に関するお知らせ

ジュニアスポーツ教育学科10周年記念リレー講演会(第4回)を開催しました

9月8日(土)本学鈴蘭台キャンパスにて、ジュニアスポーツ教育学科10周年記念リレー講演会(第4回)を開催しました。
このリレー講演会は、ジュニアスポーツ教育学科が開設されて10周年になるのを記念して企画されたものです。

第4回目は、アーティスティックスイミング日本代表ヘッドコーチ・井村雅代氏を講師としてお迎えし、「『できない』から逃げるな!~努力するから楽しくなる」というテーマのもと、日本のみならず、中国、英国でのコーチの経験も踏まえ、若いアスリートの本気を引き出し、それを発揮できる環境づくりの必要性と秘訣を語っていだきました。

井村氏は、1984年ロサンゼルス大会にむけて日本代表コーチに就任し、2004年アテネ大会の退任まで、多くのメダリストを輩出しました。
退任後、中国や英国でもコーチを務めます。2014年に日本代表のコーチに復帰。その時、「チームワーク」や「絆」の意味をはき違えた、横並び志向の強い日本選手の気質に驚いたそうです。
選手たちの能力と無限の可能性を開花させるためには(=メダル獲得)、選手が今まで経験したことのない努力と達成感を味合わせるために選手を徹底的に「追い込む」ことが必要であること、また、そのためには選手を納得させる合理的で人間味あふれる丁寧な指導が不可欠であることを強調されました。
メダル獲得のための準備(=できるようになる)ためには、当然それ相応の練習量が求められます。
その一方で、選手が、能動的に練習に取り組むために、練習の意味を伝え、日々の具体的で達成可能な課題を意識させる(1ミリだけ前進する)、指導者は多くを語らない(=指導者の自己満足)等、徹底的に選手目線で指導法を模索してきたことが語られました。

「追い込む」「練習量」の部分がクローズアップされ、"スパルタ的"と表現されることが多い井村氏ですが、選手の力を信じ、選手との双方向のコミュニケーションを成立させ、指導者の意図を正確に伝えるために、指導方法を模索し続ける。
そのためには自分自身が変わることも厭わない指導者としての謙虚な姿勢こそが大切で、だからこそ指導者は選手以上に努力しなければならない。その点こそが、選手を育て、メダル獲得を可能にした井村コーチ術の重要な側面であることを学びました。これは、「メダル獲得」という大きな目標だけでなく、「都道府県大会1回戦突破」のような身の丈に応じた目標を掲げる部活動の指導者にも同様に当てはまると考えます。

井村氏は、日本とのライバルである中国チームのメダリストを育てあげました。
そのこと自体に対する批判も多かったそうです。さらに、その育てた中国の愛弟子と本気で闘うことに何も感じないのかとの質問もよくうけるそうですが、一切の迷いや複雑な思いは存在しないそうです。
なぜならば「スポーツだから」と明るく語られました。いったん勝負が終われば遺恨を残さない。
それがスポーツ本来の姿なのだということが、井村氏の口ぶりからは感じられました。

オリンピック・ムーブメントの本質は、"国家の利害を乗り越え世界が一つになること"にあります。
国境を超えメダリストを生み出した井村氏の活躍・生き様は、まさにオリンピック・ムーブメントそのものであり、「スポーツの力」を象徴するものはないでしょうか。

講演後、活発な質疑応答もあり、最終回にふさわしい有意義な講演会となりました。

開会の挨拶をする戸江副学長。
300名以上の参加者が熱心に聞き入りました。
リオオリンピックの様子を力強く語られました。
学生から花束を受け取る井村氏。